提供: SIRABE
大分野 | 影響 |
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中分野 | |
タイトル | 原爆被爆者の追跡調査 |
説明 | 原爆放射線の人体への影響を調べるため、放射線影響研究所が広島・長崎で行っている原爆被爆者を対象とする大規模な疫学・臨床調査。その、規模、構成、期間の長さ、追跡の精度は他に例を見ないもので、研究成果は放射線被ばくの線量限度に関する世界的な防護基準の設定に活用されている。 原爆放射線の健康影響調査には次の4つの調査集団がある。 1.寿命調査:生涯にわたる健康影響調査プログラムで、主として死亡原因とがん発生に関する疫学調査を行う。1950(昭和25)年の国勢調査で確認された被爆者の中から、広島、長崎のどちらかに在住し、本籍などの条件を満たす約12万人が対象。 2.成人健康調査:1の寿命調査の副次集団で対象者数は約2万5千人。2年に1度の健康診断を通じて疾病の発生と健康状態に関する調査を生涯にわたり継続して行う。 3.胎内被爆者調査:母親の胎内で被ばくした人(約3,600人)を対象とし生涯にわたり健康状態を調べる。小頭症、知的障害、がんなどの死亡調査を含む。 4.被爆二世調査:親の被ばくによる遺伝性影響を調べるための被爆者の子供を対象とした調査(約7万7千人)。遺伝性影響調査、死亡率調査、臨床調査などがある。 これまでの研究成果をまとめると次のようになる。 1.被爆者では、被ばくしていない人よりがんの発生・死亡が多い。 ・白血病は被ばく後数年で増え始め、5 - 10年でピークに達し、その後減少。 ・固形がんは被ばく後10年くらいから増え始め、現在も増加傾向が続いている。 2.高線量被爆者では心臓血管系疾患など「がん以外の病気」も増えている。 3.高線量被爆者では免疫機能の老化が促進されている。 4.胎内被爆者では被ばく線量に応じて脳の発達に影響が見られる。 5.これまで調べた限りでは親の放射線被ばくの影響は子供に観察されていない。 |
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参考文献 | 放射線被曝者医療国際協力推進協議会 編、原爆放射線の人体影響 改訂第2版、文光堂、東京、402p(2012) |
参照サイト | https://www.rerf.or.jp/ 公益財団法人 放射線影響研究所 |
作成日 | 2019/03/01 |
更新日 |
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