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タイトル | カーマ (ICRP) |
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英語タイトル | (ICRP) |
説明 | [93付録B]カーマは、単位質量あたりに放出される運動エネルギーである(単位J/kg、Gy)。光子では、放出される運動エネルギーは物質中の電子に移行する運動エネルギーで、ある。この量は、相互作用が起こっている個別の物質について定義される(例えば、空気カーマ、水カーマなど)。 〔103〕質量dm の物質中で非荷電粒子により解放されたすべての荷電粒子の運動エネルギーdEtrの総和を,その物質の質量dm で、割った商。 K= dEtr/dm カーマは非確率的な量として定義され,dEtrは運動エネルギーの総和の期待値である。カーマの単位は1 キログラム当たりのジュール(J kg -1),またその特別な名称はグレイ(Gy)である。 〔116〕電離性非荷電粒子に対する量で,dEtrをdm で割った商によって定義される。ここで,dEtrは質量dm の物質に入射する非荷電粒子によりdm 中で解放されたすべての荷電粒子の初期運動エネルギーの総和の期待値である。したがって,次の式で表される。 K= dEtr/dm カーマの単位は1 キログラムあたりのジュール(J/kg) で,その特別な名称はグレイ(Gy) である。 〔120〕質量dm の物質中で非荷電粒子により解放されたすべての荷電粒子の運動エネルギーdEtrの総和を,その物質の質量dm で割った商。K = -dEtr/dm カーマは非確率的な量として定義され,dEtrは運動エネルギーの総和の期待値である。カーマの単位は1 キログラム当たりのジュール(J/kg) である。またその単位の特別な名称はグレイ(Gy) である。「カーマ(Kerma)」は「物質に放出される運動エネルギー(kinetic energy released in a mass)」 の頭文字をとった頭字語である。(注)空気カーマと空中線量に関する注意点。長年にわたり,診断放射線医学における空中線量測定値は空気に対する吸収線量の観点から求められてきた。二次的な電子の平衡が存在する場合には両者の数値は等しいが,そのような平衡が存在しなければ,両者の数値は空気と組織間または空気とファントム間の境界付近で異なる。この領域では空中の吸収線量は通常の方法では決定できない。一方,空気カーマは,線量測定装置は空気カーマの観点から校正されるため容易に測定できる。したがって,空中の吸収線量のすべての報告される値は実際には空気カーマの値である。さらに,臓器線量は空気カーマから臓器線量へ変換する利用可能な変換係数を使って求められる。そのため,空中の吸収線量を決定するための実際的な数値は存在しない。これらの理由から,空中で決定される量に関し,国際放射線単位測定委員会(ICRU) は,空気に対する吸収線量ではなく空気カーマを,入射表面線量ではなく入射表面空気カーマを,線量-面積の積ではなくカーマ-面積の積を,またコンピュータ断層診断線量指数ではなくコンピュータ断層診断空気カーマ指数を使用するよう勧告している(ICRU, 2005) 。本報告書(ICRP 120)では歴史的な理由により,また多くの読者が文献に記載されてきている「線量」により馴染みがあり,「空気カーマ」に慣れていないことから空中の吸収線量の表現を使用している。 |
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