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大分野 線源
中分野 線量・単位
タイトル 空気カーマ
説明 光子や中性子のように電荷を持たない粒子の物質へのエネルギー付与は、第一段階で非荷電粒子のエネルギーが相互作用により電子や荷電粒子の運動エネルギーへ移行し、第二段階でその荷電粒子が物質にエネルギーを付与するという過程で行われる。カーマ(KERMA:Kinetic Energy of charged particles Relesed in MAterial)は、この第一段階に着目した量であり、非荷電性の放射線のみ適用される量である。カーマKは質量dmの物質中に非荷電粒子により放出されたすべての荷電粒子の初期運動エネルギーの総和をdEtrとしたとき、K=dEtr/dmと定義される。カーマのSI単位は、吸収線量と同様、J/kgでありグレイ(Gy)という特別な名称が付けられている。カーマを記す場合、対象としている物質を明記する必要がある。
吸収線量は、2次荷電粒子が制動放射などにより系外に逃げたエネルギー分を含まないが、吸収線量とカーマは、人体中の臓器・組織においては一致する場合が多い。しかし、皮膚のような表層部や、加速器等で発生する高エネルギー光子について、両者は異なる値となるので、注意が必要である。
近年、空気カーマ照射線量に代わり用いられる傾向にある。これは、SI単位の導入により、従来から用いられてきたレントゲン(R)単位の照射線量を SI単位(C/kg)で表記するよりも、空気カーマで表す方が数値的に混乱が少ないためである。
キーワード
図表
参考文献 DRESA「低線量放射線安全評価データベース」(2000年度制作 企画:文部科学省 制作:日本原子力研究所)
参照サイト
作成日 2015/02/28
更新日