提供: SIRABE
移動先: 案内検索
分野
ICRP 2007年勧告では、100mSvよりも高い被ばくをどのように考えているのでしょうか。
答え ICRPは、2007年勧告において、「100mSvよりも高い線量域では、確定的影響、及びがんの有意なリスクの可能性が高くなる」という理由から「急性あるいは年間のいずれかで受ける100mSvよりも高い被ばくは、被ばくが避けられないか、若しくは人命救助や最悪の事態の防止のような例外的状況における被ばくのいずれかによる究極の事情の下においてのみ正当化されるであろう」と勧告しています。
この勧告の中に「被ばくが避けられない」状況が意味する具体的な事例は示されていません。一方、「例外的状況」については、この勧告が引用しているICRP Publication 96に「人命救助を含めた救助活動を行う初期対応要員については、他者への便益が救助者自身のリスクを明確に上回る場合にのみ、線量制限は原則として勧告されない」と記載されており、対象となる活動内容は人命救助などに限定されています。
また、2007年勧告では、100mSvを超える被ばく環境での作業が認められている者に関して「緊急救助活動を引き受ける、情報を知らされている志願者に対しては、通常の線量限度緩和されるであろう。」とも記載されており、この作業を行う人物は、被ばくに関する情報を理解している者で、なおかつ自ら志願した者であることが求められています。

厚生労働省は、電離放射線障害防止規則 第七条の二において、緊急事態が発生した時、250mSvを超えない範囲で緊急作業に従事する間に受ける実効線量の限度の値を定めることができることや、第七条の三において、この作業に従事できる者は原子力防災要員等に限られることなどを定めています。
キーワード 100mSv、線量限度、参考レベル
図表
参考文献 ・ICRP, 放射線攻撃時の被ばくに対する公衆の防護, Publication 96[85] (2011)
関連サイト ・ICRP, 国際放射線防護委員会の2007年勧告, Publication 103 [236][247](2009)
https://www.icrp.org/docs/P103_Japanese.pdf
作成日 2018/02/28
更新日