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タイトル 小児白血病
説明 白血病は造血器の悪性腫瘍の一つであり、造血幹細胞がさまざまな血液細胞へ分化していく過程のどこかで腫瘍化し、無秩序に増殖する疾患である。そのうち、15歳未満の子どもに発症するのが小児白血病であり、小児がんの約40%を占める。小児白血病の約75%はリンパ性白血病であり、小児では、成人で見られる慢性リンパ性白血病は見られず、急性リンパ性白血病がほぼ全てを占める。小児急性リンパ性白血病は就学前の2-5歳の子どもに発症しやすく、小児の人口10万人あたり年間3~4人の発症がある。治療法の発達に伴い、その治療成績は改善してきており、現在では70%以上が長期生存する。
発症の原因の多くは不明であるが、いくつかの特徴的な染色体異常が知られている。例えば、t(12;21)転座(12番と21番の染色体が、それぞれの切断点を境に相互に交換したタイプの染色体異常)により形成されるTEL-AML1融合遺伝子は小児急性リンパ性白血病で高頻度に認められる。このタイプの白血病は抗がん剤治療が効きやすく、9割くらいが治癒する。一方、乳児の白血病では、急性リンパ性白血病の70-80%、急性骨髄性白血病の40-50%において11番染色体にあるMLLという遺伝子の異常が見られる。このタイプの白血病には、抗がん剤治療が効きにくい場合が多い。
注:例えば急性リンパ性白血病の場合は、リンパ球が幼若な段階で悪性化し、主に骨髄の中で増殖する。
キーワード
図表 血液の分化
参考文献
参照サイト
作成日 2019/03/01
更新日