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タイトル | 骨髄性白血病 |
説明 | 白血病は造血器の悪性腫瘍の一つであり、骨髄にある造血幹細胞から、赤血球、白血球、血小板などの血液細胞へ分化していく過程のどこかで腫瘍化する。腫瘍化している細胞系列が、赤血球、血小板、白血球(顆粒球や単球)に分化する骨髄系の系列なのか、それとも、Bリンパ球、Tリンパ球、NK細胞などのリンパ球に分化するリンパ系の系列なのかにより、骨髄性とリンパ性の白血病に分けられる。骨髄性白血病には、血液を造る過程の未分化な骨髄芽球が腫瘍化して無制限に増殖し、急激な経過をたどる「急性骨髄性白血病」と、造血幹細胞が増殖を示すものの、赤血球、血小板、白血球へ分化・成熟する能力を保持しており、緩徐な経過をとる「慢性骨髄性白血病」がある。白血病は放射線に最も感受性の高い悪性腫瘍であり、原爆被ばく者には急性及び慢性骨髄性白血病、ならびに、急性リンパ性白血病の過剰発生が認められ、被ばく線量が多くなるほど発生率が高まることが明らかとなっている(ただし、白血病は比較的まれな疾患なので、高線量被爆者でも症例数は少なく2Gy以上の被ばくでも30人に1人程度)。時間経過としては、被ばく後5年から10年で発生率が最も高くなり、その後、時間の経過とともに低くなっていく。また、被ばく時の年齢が若い人ほど白血病の発生率が高い。マウスを用いた放射線誘発白血病の研究では、CBA、RBA、C3Hなどの系統で、高線量率放射線照射後に、原爆被ばく者と同様に骨髄性白血病の発症が見られる。一方、低線量率放射線による白血病の発症については、マウスを用いた実験によって得られた知見がいくつかあるものの、ヒトに関する報告は少ない。 |
キーワード | |
図表 | 血液の分化 |
参考文献 | |
参照サイト | https://www.rerf.or.jp/programs/roadmap/health_effects/late/leukemia/ 放射線影響研究所「原爆被爆者における白血病リスク」 https://www.rbc.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2017/06/RBC156_0311-1.pdf 廣内篤久、放射線誘発白血病研究から考える放射線の発がん効果、放生研ニュース、No.156、2-4(2017) https://www.aomori-hb.jp/data/ss4/hiho_info/leaflet03_04.pdf 公益財団法人 環境科学技術研究所 「造血細胞への低線量率放射線の影響を調べています」 |
作成日 | 2019/03/01 |
更新日 |
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