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分野
低線量被ばくによる影響について、性別による差はあるのでしょうか。
答え これまでの研究から、放射線による発がん影響について、性別により違いがあることが確認されています。性別に固有のがん(乳がん、前立腺がん、生殖器のがん)を除くと、1Sv当たりの固形がんの増加(絶対リスク)は、男性と女性でほぼ同じです。しかし、一般のがんの頻度は男性の方が女性よりも約2倍高いため、相対リスク(対象群との比)で表すと男性は女性の約半分となります。詳しく見ると、部位によっても男女差があります。肝臓がんや結腸がんのリスクは女性に比べて男性の方が高く、胃がん、肺がん、甲状腺がんのリスクは女性の方が高いとされています。白血病については、固形がんに比べ、絶対リスクが小さく、性差も小さく見えます。ただし、100mSy以下の低線量被ばくについては、放射線発がんのリスクそのものがあるかどうか明確ではありません。
キーワード 性差、発がん
図表
参考文献 ・低線量放射線と健康影響(放射線医学総合研究所 編著)
・低線量放射線リスクの科学的基盤—現状と課題—、低線量放射線影響分科会、平成16年3月、
・ICRP, 2007. The 2007 Recommendations of the International Commission on Radiological Protection. ICRP Publication 103. Ann. ICRP 37 (2-4).
・Preston et al., Solid cancer incidence in atomic bomb survivors: 1958-1998, Radiation Research 168, 1-64(2007)
・Hsu et al., The incidence of leukemia, lymphoma and multiple myeloma among atomic bomb survivors: 1950-2001, Radiation Research 179, 361-382(2013)
関連サイト 国際放射線防護委員会の2007年勧告(日本語版)
https://www.icrp.org/docs/P103_Japanese.pdf
作成日 2019/02/28
更新日