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大分野 | 影響 |
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中分野 | |
タイトル | タンパク質リン酸化 |
説明 | 生体内のタンパク質は、様々な生理的条件下で生化学的修飾(反応)を受けることによってその性質を変化させている。中でもタンパク質のリン酸化はその即時性と可逆性から、タンパク質の活性/不活性をコントロールする重要な反応であると考えられている。タンパク質がリン酸化反応、あるいは脱リン酸化反応を受けると、タンパク質を構成するアミノ酸残基の局所的な極性が変化し、結果としてタンパク質の高次構造と機能や活性度に変化が生じることになる。 リン酸化反応、脱リン酸化反応を触媒する酵素もタンパク質である。リン酸化反応によりその活性がコントロールされるリン酸化酵素や脱リン酸化酵素は、細胞内情報伝達系で重要な役割を担っている。リン酸化反応で活性化されたリン酸化酵素が、その基質となるリン酸化酵素を活性化するという連鎖反応による情報伝達系が多く知られている。 放射線によるDNA損傷で誘導される細胞周期チェックポイント、DNA修復、アポトーシスの細胞内情報伝達系では、PIIKsとよばれるリン酸化酵素ファミリーに属するATM、ATRが、最初に活性化される。ATM、ATRの基質には、様々なリン酸化酵素に加え、がん抑制遺伝子産物として有名な転写因子p53タンパク質も含まれる。細胞への外部ストレスを細胞膜表面から細胞核へ伝えていく細胞内情報伝達系では、PKC(プロテインキナーゼC)やMAPK(マップキナーゼ)によるタンパクリン酸化/脱リン酸化反応が刺激シグナルの伝達に係わる主要なスイッチとして働いていることが明らかになっている。 |
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参考文献 | DRESA「低線量放射線安全評価データベース」(2000年度制作 企画:文部科学省 制作:日本原子力研究所) |
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作成日 | 2019/03/01 |
更新日 |
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