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タイトル ゴイアニア被ばく事故
説明 1987年9月、ブラジル、ゴヤス州の州都ゴイアニア市でセシウム137(137Cs)による放射線被ばく放射性物質汚染の事故が発生した。盗み出された治療用137Cs照射装置が解体されたことにより、合計4名が亡くなり、249名には体内取込みまたは体外汚染があった。
1.事故の経緯
1987年9月、ブラジル、ゴヤス州の州都ゴイアニア市でセシウム137(137Cs)による放射線被ばくと放射性物質汚染の事故が発生した。同市にあった病院が廃院となり、放射線治療室に放置されていた治療用137Cs照射装置(事故当時の放射能量は1375Ci(50.9TBq))が盗み出され、廃品回収業者に売り渡された。この業者がこの照射装置を解体したことにより発生した事故である。当時、同地域は雨季のため解体された線源中の137Csが溶解し、137Csによる放射性物質汚染が広い地域に広がった。この事故では38歳と6歳の女性、22歳と18歳の男性の合計4名が亡くなった。
事故後の9月30日から12月22日までの間に約112,800名の住民の汚染検査が携帯型サーベイメータとゲートモニタを使って行われた。この調査から249名の汚染者が発見された。129名には体内取込みと体外汚染があった。

2.線量評価
(1)汚染者、被ばく者の被ばく線量は主に染色体異常検出法を使って評価された。その他にホールボディカウンタと熱ルミネッセンス線量計、歯の電子スピン共鳴法などの物理的方法も使われた。
(2)汚染及び被ばくした110名の被ばく線量を染色体異常検出法で求めた。1.0Gy以上の被ばく者が21名、4.0Gy以上が8名であった。体内汚染者には、セシウムの除去剤としてプルシアン・ブルーが投与された。
(3)死亡者4名の染色体分析による推定被ばく線量は約4から7Gy程度であった。
キーワード 治療用照射装置
図表
参考文献 DRESA「低線量放射線安全評価データベース」(2000年度制作 企画:文部科学省 制作:日本原子力研究所)
参照サイト International Atomic Energy Agency, "The Radiological accident in Goiania". International Atomic Energy Agency, Vienna (1988)
https://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/Pub815_web.pdf
作成日 2019/03/01
更新日