提供: SIRABE
大分野 | 線源(計測・評価を含む) |
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中分野 | 元素・放射性核種 |
タイトル | 131I |
説明 | 131Iは、原子炉内でウランの核分裂(U(n,f)131I)によって生成され、また同様に生成されたテルル130(130Te)に中性子が衝突して131Teとなったあとβ線を出して崩壊し 131I となることで生成される。 131Iの半減期は、8.04日で、βー線を放出する。β線の最大エネルギーは、0.606MeVである。それに伴い0.364MeV(他数本)のγ線を放出し、安定元素の131Xeになる。 ヨウ素は、甲状腺に集まりやすい(親和性がある)ので、この性質を利用して131Iは昔から甲状腺機能検査及び甲状腺がんや甲状腺機能亢進症の治療等に使われてきた。 生体内に取り込まれた場合、大人の場合の生物半減期は80日、経口摂取した場合の成人の内部被ばく線量は1Bq当たり0.022μSv(甲状腺の預託等価線量)となる。 ヨウ素は揮発性であり、事故時には、環境中に放出されやすいので、131Iは、放射線被ばく上重要な核種となる(1957年英国ウインズケール事故、1986年ソ連チェルノブイリ事故、2011年の東京電力福島第一原発事故)。しかし、131Iの半減期は短いので、食品汚染等による放射線被ばくは、摂取制限等の短期間の対策で効果的に低減できる。事故により放出された放射性ヨウ素の吸入等による甲状腺の被ばくを防護するために、原子力施設から概ね5kmを目安として「予防的防護措置を準備する区域(Precautionary Action Zone、「PAZ」)」においては全面緊急事態に至った場合の避難の際に、原子力施設から概ね30kmを目安として「緊急時防護措置を準備する区域(Urgent Protective Action Planning Zone、UPZ)」においては全面緊急事態に伴う屋内退避の実施後、避難や一時移転等の防護措置が講じらた際に安定ヨウ素剤が服用される。 |
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参考文献 | 原子力規制庁 放射線防護企画課 安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって(平成28年9月30日修正) https://www.nsr.go.jp/data/000024657.pdf |
参照サイト | |
作成日 | 2018/02/28 |
更新日 |
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