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大分野 影響(生体応答・生物影響・健康影響を含む)
中分野 疫学・リスク評価
タイトル 直線-二次曲線モデル、直線二次曲線モデル
説明 放射線による細胞死染色体異常の誘発、突然変異の誘発、発がんなどに関する線量-効果曲線を解釈するにあたって、効果の大きさが線量に正比例する成分と、線量の二乗に比例する成分の和として与えられるとするモデル。ICRP 2007年勧告では「直線-二次線量反応」として「1つは線量に比例する成分(直線項),もう1つは線量の二乗に比例する成分(二次項)という,2つの成分の和として特定の影響(疾病,死亡又は異常など)のリスクを表す統計モデル」と定義されている。

線量効果関係は細胞の生存率に関してはS(D)= e^[-(αD+βD2)][Sは生存率、Dは線量、α、βは定数]の式で与えられ、[ICRP 2007年勧告,(A60)]、細胞の生存率以外の効果も含めて表す場合はE(D)=αD+βD2[Eは効果の大きさ、Dは線量、α、βは定数]で与えられる(なお、生存率をEで表す場合は、-logS=Eとなる)。例えば、げっ歯類、ブタ、イヌから得られた肺、腎臓に対する分割照射の実験データは線形二次モデルで十分に記述されるとしている(ICRP Publication118)。
ICRP Publication 118[2017]では「1990年勧告以降、細胞生存率を線量の関数として記述したり、線量率や分割あたりの線量の大きさの変化による等効果総線量の変化を比較するために線形二次形式の使用が確立された」とされている。
キーワード
図表
参考文献 ・ICRP, 国際放射線防護委員会の2007年勧告, Publication 103 [A60](2009)
https://www.icrp.org/docs/P103_Japanese.pdf
・ICRP, 組織反応に関するICRP声明/正常な組織・臓器における放射線の早期影響と晩発影響 -放射線防護の視点から見た組織反応のしきい線量-, Publication 118 [18], [343], [367](2017)
https://www.icrp.org/docs/P118_Japanese.pdf
参照サイト
作成日 2017/10/16
更新日