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タイトル | 発がん物質 |
説明 | ヒトや動物個体にがんを誘発する物質の総称。遺伝情報を担うDNAは化学物質や放射線等により、化学的な修飾を受けて変化することがある。このようなDNAの変化が子孫個体に有害な作用をもたらすことを遺伝毒性(genotoxicity)というが、発がん物質は遺伝毒性発がん物質と非遺伝毒性発がん物質に分かれる。アルキル化剤は遺伝毒性発がん物質で、細胞のDNAに対する直接の傷害作用が発がんに大きく関与し、発がんに閾値が無いとされる。一方、ダイオキシン類は非遺伝毒性発がん物質で、発がんに閾値があるとされている。 世界保健機関(WHO)の下部組織である国際がん研究機関(IARC)の発がん性リスク分類では次のように人体に対する発がん性の確実さを指標に、4つのグループに分けている。 グループ1:人体における発がん物質である グループ2A:おそらく人体における発がん物質である グループ2B:人への発がん物質の可能性がある グループ3:人への発がん性に関して分類できない グループ4:おそらく人への発がん物質ではない 放射線に関しては、グループ1に相当することになる。なおグループ2に関しては、人での証拠(疫学)が限定的であるが動物実験での証拠が十分であるものをグループ2Aに、人での証拠が限定的で動物実験での証拠が限定的か、不十分あるいは欠如している場合、もしくは人での証拠が不十分あるいは欠如しているが動物実験での証拠が十分なものをグループ2Bと、2つにグループ分けしている。 発がん物質は自然界に広く分布し、体内での代謝を必要とせずに直接DNAや生体成分と反応するものと、代謝を受けた最終産物が発がん性を有するものに大別される。 |
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参考文献 | DRESA「低線量放射線安全評価データベース」(2000年度制作 企画:文部科学省 制作:日本原子力研究所) |
参照サイト | 食品安全委員会事務局「食品中に存在する発がん物質について」(2019年3月1日確認) https://www.fsc.go.jp/sonota/13gou_8.pdf 食品安全委員会事務局「発がん性がある化学物質を含む食品の安全性について」(2019年3月1日確認) https://www.fsc.go.jp/monitor/moni_25/moni25-shiryo1-2-tokyo3.pdf IARC発がん性リスク評価 https://monographs.iarc.fr/ |
作成日 | 2019/03/01 |
更新日 |
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