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分野
人へ放射線の影響を知る場合、人を対象とした疫学調査だけではなく、なぜ動物実験をする必要があるのでしょうか?
答え 線量放射線安全評価に係わる動物実験の役割は、第1に疫学データを補完するための基礎的データを提供することです。
疫学データは対象となる人々の遺伝的多様性に加え生活様式も様々で、一律に条件を揃えることはできません。そのため一般に交絡因子の問題が出てしまい、放射線と影響の間に相関が認められても、必ずしも因果関係を示すとは限りません。
それに対し、動物実験では、統一された系統を用いることで遺伝子の違いを排除し、病原菌が存在しないところで飼育することにより病原菌の影響を排除し、給餌などの飼育環境も統一することで、生活環境の影響を排除することができます。このように動物実験は、交絡因子を除いて実験することが、容易であり、放射線の影響のみを観察することが可能であるという特長があります。
動物実験の第2の役割は、ヒトでは得られていないデータを提供することです。
現在、放射線の遺伝的影響は、動物実験のデータに基づいて評価されています。また、寿命の短い動物を生涯飼育することにより、低線量放射線の長期的な影響を評価する実験も行われてきました。
なお動物種としては、マウスやラットが使用されることが多いのですが、目的によってはビーグル犬やサル等も用いられています。
キーワード 動物実験
図表
参考文献 DRESA「低線量放射線安全評価データベース」(2000年度制作 企画:文部科学省 制作:日本原子力研究所)
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作成日 2018/02/28
更新日