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大分野 影響
中分野
タイトル トロトラスト
説明 医療放射線撮影に使用される二酸化トリウムを含む造影剤である。1930年以降第2次大戦後まで主としてドイツの患者・日本の戦傷兵士の診断、てんかん性症候患者の血管造影に用いられた。森(1987)によれば、患者には10-100ml、8000Bq-8万Bqが投与されたとしている。静脈注射により体内に入ったトリウムやその子孫核種であるラジウム224(224Ra)はほとんど排泄されずに体内(主として肝臓・骨髄)にとどまり、α線を放出している。このようにトロトラスト被ばく患者は内部被ばくによる医療被ばくの典型的な例である。トロトラスト使用患者の追跡調査が主としてドイツ(2,326人)、日本(255人)及びデンマークなどで行われた。1990年代後半の調査では、肝がん白血病リスクが増加が明らかにされた(文中の人数はHunacekらの論文による1995年の値)。
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図表
参考文献 DRESA「低線量放射線安全評価データベース」(2000年度制作 企画:文部科学省 制作:日本原子力研究所)
Hunacek, M. M. and Kathren R. L., Alpha radiation risk coefficients for liver cancer, bone sarcomas, and leukemia., Health Physics, 68, 41-49(1995)
森、「トロトラスト」晩発障害研究の現状、放射線科学30(11), 289-297(1987)
参照サイト
作成日 2019/03/01
更新日