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大分野 | 重要論文の解説 |
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中分野 | 低線量率被ばく |
タイトル | Exposure to low-dose ionizing radiation from medical imaging procedures. |
日本語タイトル | 画像医学の手技による低線量電離放射線の被ばく |
著者 | Fazel R, Krumholz HM, Wang Y, Ross JS, Chen J, Ting HH, Shah ND, Nasir K, Einstein AJ, Nallamothu BK |
文献情報 | New England Journal of Medicine 361(9):849-857, 2009 |
説明 | 1 研究概要 米国で約95万人の医療保険加入者(18 - 64歳)について2005年から2007年までの保険請求の情報を用いて医療被ばくのデータが調査され、個々が受けた実効線量が推定された。3年間に約70%の人々が少なくとも1度、放射線被ばくを伴う画像診断を受けており、年間の実効線量の平均値と中央値はそれぞれ2.4mSv、0.1mSvと推定された。実効線量により集団を低線量(3mSv以下)、中線量(3 - 20mSv)、高線量(20 - 50mSv)、極高線量(50mSv以上)の4群に分類した場合、中線量、高線量、極高線量の群は全体のそれぞれ19.38%、1.86%、0.19%を占めた。CTと核医学による線量は全体の線量の75.4%に相当し、外来患者では81.8%の線量にも及んだ。このように、米国では画像医学が被ばく源として重要で、高い実効線量をもたらしている。 2 国内専門家のコメント この研究では、保険請求の情報に基づき、大規模な集団について画像医学の受診回数が調査されている。しかしながら、保険請求の情報がどれだけ正確であるか、研究対象となった集団が全体をどれだけ代表しているかについては議論の余地がある。また、この研究では手技別に他の文献で公表されている代表的な実効線量を用いて線量推定が行われているが、実際は画像撮影の条件、あるいは患者の体格等の条件により被ばく線量は大きく変動する。これらの不確かさについては検討を要するが、医療被ばくによる大まかな線量を大規模集団について把握したという点で価値が高い研究である。 |
キーワード | 医療被ばく、CT被ばく、低線量放射線 |
図表 | |
参考文献 | |
参照サイト | https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa0901249 |
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