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大分野 影響(生体応答・生物影響・健康影響を含む)
中分野 細胞・組織・個体レベルの影響
タイトル 大腸がんの多段階モデル
説明 大腸がんが前がん病変から悪性度の高いがんへ進展していく過程で、複数の遺伝子変異が段階的に蓄積していくというモデル。1990年にVogelsteinらにより提唱された。このモデルでは、まず、がん抑制遺伝子APCが2ヒットの異常を受け不活化され、小さな腺腫が形成される。次にK-ras遺伝子に点突然変異が起こり活性化すると、小さな腺腫は異型度を増した細胞からなる大きな腺腫へと増殖する。そして、p53遺伝子の変異によって一気に大腸がんへ進展する。さらにDCC遺伝子や 8番染色体短腕上の遺伝子の変異などが加わると、大腸がんは浸潤能や転移能を獲得したさらに悪性度の高いものになると考えられている。腺腫の段階を経ないDe novo タイプの大腸がん注1)も存在するが、その発生過程における遺伝子異常の詳細は不明である。

注1)K-ras遺伝子とはGTPをGDPに加水分解する活性を持つタンパク質をコードしている遺伝子であるが、この遺伝子が変異した場合、発がんに関与するタンパク質を作り出す。
注2)De novo タイプの大腸がんとは正常粘膜が刺激を受けて直接発生するタイプのがん
キーワード 発がんの多段階説、腺腫、APC、K-ras、p53、De novo癌
図表
参考文献
参照サイト
作成日 2018/02/28
更新日