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大分野 影響(生体応答・生物影響・健康影響を含む)
中分野 分子レベルの反応
タイトル バイスタンダー効果
説明 ICRP2007年勧告[2009]では「放射線照射された隣接細胞から受ける信号により引き起こされる、照射を受けていない細胞における反応」と定義されている。また、UNSCEAR2006年報告書[2011]には、「放射線を照射された細胞が直接照射されなかった隣接している細胞へ損傷の発現を伝える能力のこと」とされている。

放射線を浴びた細胞(被照射細胞)だけが放射線の影響を受ける細胞として影響評価の対象となるとした従来の説と異なり、放射線による細胞への影響は直接浴びなかった細胞(非照射細胞)にも影響が伝達されることが明らかになってきた。ICRP2007年勧告[2009]にはバイスタンダー効果として、「放射線の飛跡が直接横切っていない細胞における細胞致死/アポトーシス遺伝子/染色体突然変異、ゲノム不安定性の発現、及び/又はタンパク質のパターン変化の発現」が記載されている。このようなバイスタンダー効果は以前から示唆されていたが、マイクロビーム照射により細胞の1個だけを放射線でヒットすることが技術的に可能になり直接的に証明された。バイスタンダー効果としては、接着している細胞間でギャップ結合チャネルを介しての低分子化合物のやりとりが行われる場合と、接着していない細胞へ伝播因子を介して影響を与える場合が知られている。
キーワード
図表
参考文献 ・ICRP, 国際放射線防護委員会の2007年勧告, Publication 103 [A28](2009)
参照サイト
作成日 2018/02/28
更新日