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大分野 | 影響 |
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タイトル | スリーマイル島事故 |
説明 | 米国のスリーマイル島原子力発電所2号炉(以下TMIと略す)は、1979年3月28日午前4時に事故を起こした。この事故は、当時、西側諸国における商業用原子力発電所としては、最大規模の事故であったが、周辺公衆の放射線被ばくは米国における自然放射線による被ばく線量の地域差の範囲内であり、発電所従事者の被ばく線量は年間の線量限度の範囲内で、放射線障害の発生は確認できなかった。 TMIは電気出力959MWのPWR(加圧水型原子炉、Pressurized Water Reactor)で、日本はじめ西側諸国の原子力発電所の主流である軽水型炉であることと、事故により重大な炉心損傷に至ったことから、日本、米国はじめ西側諸国ではこの事故を契機として原子力施設における安全対策の強化に必要な措置が講じられてきた。特に日本では、この事故の経過と米国でとられた緊急時の環境モニタリングはじめ大規模な防災活動から得られた教訓を原子力施設の安全性の一層の向上に反映させるとともに、原子力防災体制の整備強化が行われた。 1.事故の経過概要 事故による主給水ポンプの停止後、一時的に燃料が炉水中から露出し、最終的には炉心の損傷に至った。事故を悪化させた主な原因は、(1)補助給水系ポンプ出口弁が閉じていた(保安規程違反)、(2)加圧器逃し弁が開いたままになった、(3)緊急時炉心冷却用の高圧注入系(ECCS)が作動したが、一時的に止めたことである。 2.環境への影響とプラント従事者の被ばく 放出された放射性物質は希ガス(キセノン、クリプトン)と少量のヨウ素でその放出量は希ガス約2.5×10^6Ci(9.3×10^6Bq)、ヨウ素約15Ci(5.6×10^11Bq)と推定されている(表1)。サイト境界外での個人(周辺公衆)の被ばく線量(預託実効線量を含む)は最大でも1mSv以下であった。 プラントの放射線作業従事者の集団実効線量は6月末までの段階で約10人・Svで、法令の線量限度(30mSv/3か月)を超えたものは3名で、うち最大値は約42mSvであった(年間の線量限度以下)。 |
キーワード | 軽水炉 |
図表 | TMI事故時の気体状放射性物質各核種の環境への放出量と炉心内蔵量との関係 |
参考文献 | DRESA「低線量放射線安全評価データベース」(2000年度制作 企画:文部科学省 制作:日本原子力研究所) |
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作成日 | 2019/03/01 |
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