提供: SIRABE
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大分野 規制に関与する諸組織・諸機関等
中分野 国連及び類縁機関
タイトル 職業放射線防護評価サービス(ORPAS)
説明 1. ORPASとは何か?
ORPASとは、国際原子力機関(IAEA) が提供している労働者の放射線防護に関する国際的な外部評価サービスであり、正式名称は、Occupational Radiation Protection Appraisals Serviceである。受入れ国に対して規制の枠組みから放射線利用事業所での対策の実情まで、それぞれ適用されるIAEAの安全基準に添って、関係する分野での労働者の放射線防護に対する取り組みを領域横断的にレビューする。ORPASは、そのサービス利用の希望を持つ加盟国からの公式な要請に基づき実施され、参照される文書の根幹は、全般的安全要件(General Safety Requirements (GSR)) Part 3に基づく、全般的安全指針(General Safety Guide(GSG))-7である。
IAEAでは、より包括的なレビューとして総合規制評価サービス(Integrated Regulatory Review Service (IRRS))を提供しており、日本では平成28年1月11日から22日の期間に実施され、その後の法令改正などにつながっているが、ORPASはその対象分野を特化したものとなる。

2. ORPASの目的
ORPASの目的は、加盟国(MS)での労働者の放射線防護の取り組みの質を維持・向上させることを目的としている。このため、自発的にORPASを利用することを望んだMSであるホスト国に対して職業被ばく防護対策に関して客観的な評価を提供し、ホスト国が職業被ばく防護に対策に関して必要な措置を講じているかどうかを判断し、これらの措置が有効に機能し、全般的に最適化されているかどうかも判断される。このプロセスでは、過去に実施されたIRRSの結果も参照され、そのフォローアップも行われるが、IRRSとは別の取り組みとなっている。

3. ORPASの対象組織や対象とする業務
ORPAS は放射線に関わる全ての種類の事業所や活動を扱い、規制当局だけでなく、エンドユーザー(事業所)やそれらをサポートする技術支援組織(Technical and scientific support Services or Organisations (TSOs))の全てを対象とする。また、放射線防護に関わる個人モニタリング、作業場モニタリング、助言サービスの全てを対象としている。

4. ORPASの性格
ORPAS は、自己評価、放射線防護での安全文化、事業所や放射線防護活動の品質管理システムを促進している。自己評価はSelf-Assessment of Regulatory Infrastructure for Safety (SARIS)を活用している。
ORPAS は、国際的枠組みで実施され、各MSの放射線安全制度やその適用の違いが配慮される。周辺MSによる専門家チームによる活動成果は最終報告書としてまとめられ、そこに改善のための推奨や行動が示されることになる。
キーワード IAEA 職業被ばく
図表
参考文献 山口 一郎.国際機関による職業放射線防護に関する外部評価サービスの紹介.医療放射線防護; 2019. (81), 25-27.
原子力規制委員会、IRRSミッション報告書の公開(平成28年4月25日)
https://www.nsr.go.jp/activity/kokusai/renkei_20160425_01.html
参照サイト ORPASのweb サイト
https://gnssn.iaea.org/main/ORPAS/SitePages/Home.aspx
SARISのweb サイト
https://www.iaea.org/resources/software/saris
作成日 2020年12月
更新日