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大分野 | 線源(計測・評価を含む) |
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中分野 | 計測器・計測方法 |
タイトル | 熱ルミネセンス |
説明 | 放射線の照射を受けた物質が加熱によって発光する現象。放射線による物質の吸収線量が発光量に比例するので、熱ルミネセンス線量計(Thermoluminescence Dosimeter - TLD)として利用される。その原理は次のように考えられている。 放射線により物質(結晶)中で電離した電子は自由電子となる。一方、結晶中には正孔がある。正孔とは原子価電子(化学結合に関与する電子で、価電子ともいう)の欠けている場所をいい、正の荷電を持った粒子のように振舞い電気伝導の役割を果すものである。結晶格子の欠陥や結晶中の不純物原子はこれらの電子や正孔を捕獲する性質があり、捕獲中心となって、電子や正孔を捕え、準安定状態に保つ。 エネルギー準位は高い方から伝導帯、禁制帯及び充満帯(価電子帯)のバンド構造を形作っているとすると、最初、充満帯にあった自由電子は放射線で励起されて伝導帯に移り、その後、一部は禁制帯中の捕獲中心の準位にとどまる。次にこれに熱を加えると電子と正孔は熱エネルギーを得て捕獲中心から解放され、励起されて伝導帯に戻る。そして捕獲中心よりエネルギー準位の低い禁制帯の蛍光中心(再結合中心)の準位で正孔と電子が再結合して光(蛍光)を発する。発光量は捕獲中心の準位にある電子と正孔の数に比例する。 |
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図表 | |
参考文献 | DRESA「低線量放射線安全評価データベース」(2000年度制作 企画:文部科学省 制作:日本原子力研究所) |
参照サイト | |
作成日 | 2015/02/28 |
更新日 |
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