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大分野 | 影響 |
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タイトル | ダウン症候群 |
説明 | ダウン症(ダウン症候群)は、1866年、英国の医師Downが初めて報告した先天性疾患群で、身体的発達の遅延、特徴的な顔つき、軽中度の知的障害、心疾患等の特徴を有するものが多い。ダウン症はヒトの体細胞中の一番短い常染色体である21番染色体が過剰に存在することが原因であることが、のちに発見された。 ダウン症は「標準トリソミー型」「転座型」「モザイク型」の3つの種類に分けられ、「標準トリソミー型」(全体の90~95%)は21番染色体が1本多く(47, XX, +21などと記載)、「転座型」は21番染色体のうちの1本が他の染色体(13番、14番、15番、21番、22番)に付着、「モザイク型」は21番染色体が2本の細胞と3本の細胞が混ざっている状態である。「標準トリソミー型」の1本余分な染色体のほとんど(約93%)は、母親の第一減数分裂での不分離によって生じ、出産時の母親の年齢とともに頻度が上昇することから、卵子の老化・過熟が原因として示唆されている。 染色体異常のある胎児は自然流産の形で淘汰されることが多いが、ダウン症は最も出現頻度が高く(年間1,000出生あたりに1例が現れる)、医学的にも社会的にも重要である。 放射線によりダウン症が増加するかどうかについては、中国広東省陽江の高自然放射線地域の調査が一つの見解を出している。この高自然放射線地域ではダウン症候群が例外的に高いことが報告された。しかし、高自然放射線地域と対照地域で母親の出産時年齢に違いがあるなど、方法論的な問題点を考慮した検討が行われた結果、現在では増加が見られないと考えられている。 |
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参考文献 | DRESA「低線量放射線安全評価データベース」(2000年度制作 企画:文部科学省 制作:日本原子力研究所) Lejeune, Jerome, Marthe Gauthier, and Raymond Turpin (1959). "Les chromosomes humains en culture de tissus". CR Hebd Se ances Acad Sci (248): 602-603. |
参照サイト | https://www.neonatology.org/classics/down.html Down, JLH (1866). "Observations on an ethnic classification of idiots". Clinical Lecture Reports, London Hospital. 3: 259-62. |
作成日 | 2019/03/01 |
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