提供: SIRABE
大分野 | 影響 |
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中分野 | 疫学・リスク評価 |
タイトル | 標準人 |
説明 | 個人の線量を算出・評価するために用いる、ICRPが採用した、規格化した人間像。身長、体重などの体格、及び組織・器官の大きさ、質量などの解剖学的特性及び代謝などの生理学的特性について規定している。 ICRPが1959年に定義したものはStandard man(「標準人」と訳す)といい、正常な成人の職業人についてのみ定められていた(Publication 2)。その後の線量算出・評価法の進歩に伴い標準人改訂のICRP課題グループが発足し、その報告書1975年には、上記の解剖学的特性及び生理学的特性に関する、(1)典型的な放射線作業者を代表する一人の正常成人の個人、及び(2)正常成人の個人からなるグループ内の個人間の変動幅のデータを記した。さらに、(3)一般公衆の被ばくを重視するようになったICRPの意向に従い、公衆の個人の線量算出・評価に必要な正常な一般人の、男女の性、胎児・乳児・幼児・小児などの年齢、及び習慣などに依存するデータも追加収集して記した。そしてStandard manの概念をより明確にし、この(1)の正常成人の個人をReference man(同じく「標準人」と訳す)と命名した。したがって標準人の現在の定義は「標準人に関するICRP課題グループの報告書(Publication 23)で規定された解剖学的特性及び生理学的特性を持つ成人」(Publication 54,78)となる。 実態は「年齢20~30、身長170 cm、体重70 kgの、平均気温10~20 の気候に住むコーカシアン人種(欧米人)で、現住地及び習慣は西欧人又は北米人」である。常識的には「標準人」は男性の成人を指すが、生殖器に睾丸以外にも卵巣、子宮を記載しているので、性に直接関係しない。特に女性、小児などについて評価する場合は、Publication 23に記載されている参考値(reference value)を考慮する必要がある。 2002年にはICRPは放射線防護利用のための解剖学的および生理学的な特性に関する標準人のデータが刊行した(Publication、89)。この報告書では、新生児、1歳、5歳、10歳、15歳、成人の男女に関する参考値を明らかにしている。ICRPは参考値を選ぶに当たり、解剖学的・生理学的研究が進んでいる西欧人又は北米人のデータを使っているが、必要に応じてアジア系のいくつかの集団のデータと参考値とのの比較も行っている。 |
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参考文献 | DRESA「低線量放射線安全評価データベース」(2000年度制作 企画:文部科学省 制作:日本原子力研究所) |
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作成日 | 2015/02/28 |
更新日 |
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