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分野
東京電力福島原子力発電所事故後に、空間線量率0.23μSv/hを、除染対象地域の選定基準としたのはなぜでしょうか
答え 政府は、平成23年8月26日の「除染に関する緊急実施基本方針」(原子力災害対策本部決定)において、ICRPの2007年勧告及び原子力安全委員会の「基本的考え方」を踏まえ、緊急被ばく状況にある地域を段階的かつ迅速に縮小することを目指すこととしました。
また、長期的な目標として、現存被ばく状況にある地域において追加被ばく線量が年間1mSv以下となることを目指すこととしました。

この方針を受け、環境省が環境回復検討会などにおいて検討した結果、年間の追加被ばく線量が1mSvと推定される、空間線量率0.19μSv/h注1に、自然界(大地)からの放射線量0.04μSv/hを加えた0.23μSv/hを除染対象地域の選定のための基準に用いることとしました。


注1 上記の0.19μSv/hは、一日当たり8時間屋外において活動し、一方屋内においては60%の減衰を見込むこととして計算されています。

(参考)第116回放射線審議会資料第116-2-2号(環境省資料)P.12より
放射線量が1時間当たり0.23μSvの場における、年間の追加被ばく放射線量は1mSvに当たります。
○0.23μSvの内訳
・自然界(大地)からの放射線量注2 :0.04μSv注3
事故による追加被ばく放射線量 :0.19μSv
○1日のうち屋外に8時間、屋内(遮へい効果(0.4倍)のある木造家屋)に16時間滞在するという生活パターンを仮定。
毎時0.19μSv×(8時間+0.4×16時間)×365日=年間1mSv
注2 通常のNaIシンチレーション式サーベイメータでは宇宙からの放射線はほとんど測定されない
注3 文部科学省「学校において受ける線量の計算方法について」(平成23年8月26日)より計算
キーワード 除染基準
図表
参考文献
関連サイト 除染特別地域・汚染重点調査地域の指定要件等の要素(案)、第2回環境・回復検討会 資料5,平成23年9月27日,環境省,
https://josen.env.go.jp/material/session/pdf/002/mat02-5.pdf
「除染に関する緊急実施基本方針」(原子力災害対策本部決定)https://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826001/20110826001-3.pdf
除染基準 0.23 mSv/h は本当に年間 1 mSv なのか?
https://www.jrias.or.jp/books/pdf/201402_JIYUKUKAN_FURUTA.pdf
作成日 2018/02/28
更新日